『良いウェブサービスを支える 「利用規約」の作り方』を読んだ

良いウェブサービスを支える 「利用規約」の作り方 を読んだ。

利用規約に限らず、ウェブサービスに関する法規制についてのわかりやすいガイドブックだった。

この本を読んだモチベーション

  • 法的な制約によりXXの実装が必要だったことが後から発覚して手戻りが発生する、といったリスクを減らしたいため。
    • 例えば、確認画面を実装する必要があることが後から発覚したり
      • 参照: 通信販売|特定商取引法ガイド
        • 申込みをする際、消費者が申込み内容を容易に確認し、かつ、 訂正できるように措置していないことを「顧客の意に反して売買契約等の申込みをさせようとする行為」として禁止し、行政処分の対象としています。

  • サービスを開発する上でのルールを知ることで、全体最適された解決策を出せるようにしたいため。

個人的に面白かった点

プラットフォームを利用する場合は法律に加えてプラットフォームの規約も意識しなければならないこと

    • 資金決済法の前払式支払手段による規制を避けるため、ポイントの有効期限を180日以内にしようと思っても(a)、プラットフォームのレギュレーションによりApp内課金でポイントを購入する場合はポイントに有効期限を付けられない(b)
      • (a)は法律の範囲だが、(b)はプラットフォームの規約。(b)まで法務がカバーしてない可能性がある。エンジニアが実装のことしか考えてないと、iOSアプリのレビューが却下された段階で(b)が発覚してヤバイことになるので気をつけたい。
      • App Store Reviewガイドライン - Apple Developer
        • App内課金で購入されたクレジットやゲーム内通貨に有効期限を設定することはできません。

事業のことがわかると良い提案ができる

  • サービスの現状や将来のビジョンがわかると、それらを踏まえた上でより良い利用規約が提案できる。
    • しかしそうではなく、むしろそういったネガティブな「リスク」こそ、みなさんから積極的に開示して相談してほしいのです。そうすれば、私たちのような職業に就く者の多くは、そういった実直なリスクコミュニケーションをしてくれる経営者・エンジニアには「アイデアイノベーションの可能性をできるだけ無駄にせずに、しかしリスクは利用規約によってできるだけ最小化しよう」という発想で、対応策を考えます。

  • ここらへんはエンジニアも法務も同じだなと思った。